スペイン旅行4日目 グラナダのアルハンブラ宮殿

4日目(2017年1月19日)は、朝の暗い時間から出発しアルハンブラ宮殿を訪れました。🚌(暗い時間と言っても8時半です。この時期、こちらでは朝10時くらいから明るくなり、夜は20時ころまで明るいのです)

<アルハンブラ宮殿>
スペインがあるイベリア半島は8世紀からイスラム王朝に支配されていた歴史があり、グラナダはイスラム王朝の最後の首都でした。1492年にキリスト教勢力によるレコンキスタ(国土回復運動)によってグラナダは陥落し、約800年に渡るイスラム王朝の歴史は幕を閉じました。グラナダのアルバイシンの丘の上に立つ世界遺産の「アルハンブラ宮殿」は、このイスラム王朝のナスル朝時代に王達が暮らしていた場所です。宮殿はレコンキスタ終結の舞台であり、イスラム勢力の最後の砦となった場所でもあり、「イスラムの珠玉の置き土産」とも言われている。

「レコンキスタ」re=再び、conquista=征服する)とは、718年から1492年までに行われた、複数のキリスト教国家による、当時イスラム王朝が支配していたイベリア半島の再征服活動の総称を言う。
レコンキスタによってイスラム最後の砦であったグラナダが陥落し、イベリア半島は再びキリスト教勢力のものとなった。


グラナダをスペインに引き渡す場面を描いた油絵。ウィキペディアより↓
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左側の馬に乗ったムハンマド11世の手にはアルハンブラ宮殿の鍵を持ち、右側のキリスト教勢力のスペインに対して降伏の意を表している。



アルハンブラ宮殿の見取図
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アルハンブラ宮殿には、大きく分けて(1)カルロス5世宮殿(レコンキスタ後のルネサンス様式の宮殿)(2)アルカサバ(ナスル朝時代の要塞)(3)ナスル朝王宮(ナスル朝時代の居城)(4)ヘネラリフェ庭園(ナスル朝の夏の離宮)という四つの見どころがあり、この順に見学しました。

宮殿の敷地は広大なうえ見どころがたっぷあり、今回は宮殿の見学推奨ルート通りに観光してきたので、その様子を紹介していきたいと思います。アルハンブラ宮殿の内訳.jpg


(1)カルロス5世宮殿
カルロス5世宮殿の手前に、外観はシンプルな石造りで重厚感があり、かっこいいサンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会がある。17世紀に、元はイスラムのモスクだった場所に建てられたキリスト教会です。午前9時くらいですが、まだ薄暗いためでしょうか車はライトを点灯しています。↓
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この教会の隣には、ボコボコとした外観が特徴のカルロス5世宮殿が建っています。カルロス5世宮殿はレコンキスタ後の16世紀に、スペイン国王カルロス5世がグラナダを新たなイスラム勢力に負けないスペインの都にしようとして、建設したルネサンス様式の宮殿です。イスラム建築のアルハンブラ宮殿に建つ、不似合いなルネサンス様式の建物です


入場を待つ人達
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ここから入場しました↓
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カルロス5世宮殿の円形の中庭↓
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外観は正方形(幅63m、高さ17m)なのに内部は柱で支えられた円形の中庭で、1階はドリス式、2階はイオニア式の構造で美しい曲面を描いています。各階には回廊があり沢山の扉があるが、何なのか伺い知れない。


本物かどうかわかりませんがカルロス5世宮殿の前に置かれていた大砲↓
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(2)アルカサバ
アルカサバに行く手前にあるのが「ワインの門」。この門の向こう側でワインが無税で売られていたとか、この門の中がワインの貯蔵庫だったとか、名前の由来は諸説あるらしいです。イスラム教徒は原則的に酒を飲まないので、レコンキスタ以降に「ワインの門」と呼ばれたのかもしれません。

薄いワイン色の縁取りの「ワインの門」、右側が「アルカサバ」
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アルカサバはアルハンブラ宮殿の中で最も古い建築物でありスペイン語で「要塞」の意。防御の要で”宮殿”というイメージとは異なり無骨さがある。13世紀、最初の王であるムハンマド1世がローマ時代の要塞の上に築いた要塞です。東側のナスル王朝宮殿が完成するまでは王の住居として使われ、完成後は軍事要塞となりました。
P1010622_4.jpg手前の方は、建物は一切残っていませんが、基礎部分が保存されていて当時を偲ばせる。かつて兵舎や住居、浴場などがあった居住区でした。現在は、建物の基礎土台部分が残っているだけの遺跡広場になっています。ここにイスラム兵士たちがたてこもり、スペイン(キリスト教勢力)との最後の戦いに挑んだのだろうか。




(3)ナスル朝王宮(ナスル朝の居城
イスラム芸術の頂点と言われるアルハンブラ宮殿の中でのハイライトであると言われているこの王宮は、①メスアール宮 コマレス宮 ライオン宮 の3つの宮殿で構成されている。

①メスアール宮
メスアール(裁き)の間とも言われアルハンブラ宮殿の中で最も古い部分で、行政(政治)や司法(裁判)を行っていたという。
メスアール宮が建てられた時期は明確に判っていなく、旧ナスル朝宮殿に属していた様だと言われている。何度も破壊されてはその度に修復され、唯一残っているのは現在「メスアール宮」として知られているムハンマド1世の部屋のみ。細い大理石の柱が天井からの重みを支えている。↓
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天井は幾何学模様の寄せ木造り壁の上部は漆喰細工で金箔張りと彩色が施されており下部はモザイクタイルで装飾されている。これらの細かなイスラム文様の装飾に目が釘付けになりクラクラ!してきた。👀天井↓
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職人の美的なセンスと丹念な仕事ぶりに驚嘆すると同時にイスラム芸術の奥深さを感じます。
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さらに進むとメスアール宮の中庭がある↓
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この中庭の中央に大理石の噴水があるはずだが、修理中だったのだろうか白い柵で覆われていた。左側の入り口から進むとコマレス宮へと通じている。


中庭の壁面には色鮮やかなモザイクタイルと漆喰の浮彫りで埋め尽くされていて見事な芸術品に目を奪われる。↓
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コマレス宮
さらに進むと、建物が水面に鏡のように写っているアラヤネスの中庭が現れた。池の両側にある緑色の植物「天人花」の名前から「アラヤネス」と名付けられたとか。
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正面に見えている「コマレスの塔」は高さ約50mあり、アルハンブラ宮殿にある塔の中で最も高く、この塔でキリスト教勢力にグラナダを引き渡すことを取り決める話し合いが行われたと言われています。

コマレスの塔の内部には使の間」という最も広く、荘厳な部屋があった。かつて、ここに玉座があり、各国の大使が来て王と謁見する際などに使われた場所です。壁一面には天井までびっしりと漆喰細工が施されています。近くで見ると、壁に描かれたアラベスク模様には赤・青・緑など色が付けられてる。 

大使の間↓
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天井は木組み細工で星空をイメージしたデザイン、壁は漆喰細工↓
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③ライオン宮
ナスル朝王宮のハイライトとも言えるライオン宮にやってきました。ライオン宮はかつての王の居住スペースで、男子禁制(ただし男子宮廷宦官は除く)のハーレムだった場所です。王様は何を思い暮らしていたのでしょうか?ライオン宮の中でも最も有名なスポットが、この明るく開放的なライオンの中庭」になります。↓P1010656_1.jpg

ライオンの中庭の中央には、12頭のライオン像が水盤を支えている噴水があります。当時は水を噴き出すライオンの数で時間を表わした水時計だったそうですが、今回訪れた時は全てのライオンの口から水が噴き出ていませんでした。...(涙) また、中庭には石が敷きつめられていますが、当時は花木が植えられていた様です。
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ライオンの中庭に面した柱廊には、124本もの大理石柱が並ぶ柱の森があります。柱のアーチ部分には、見事な漆喰細工が施されています。↓
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ライオンの中庭を取り囲むようにして「アベンセラヘスの間」「諸王の間」「二姉妹の間」という三つの部屋があります。
これだけ部屋数が多いと、どの写真がどの部屋のか判らなくなってきた(涙)



「アベンセラヘスの間」
アベンセラヘスの間の一番の見どころは天井です。星型の天井は、「ムカルナス」と言われる鐘乳石をイメージした緻密な装飾でびっしりと覆われていました。まるで巨大な蜂の巣のようにも見えます。↓
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壁の下部には美しいタイル装飾、上部にはびっしりとアラベスク模様が描かれています。二連アーチの内側にまで漆喰細工が施されており、アーチ奥の天井(濃い茶色部分)には木細工がなされています。↓
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「諸王の間」
隣にある諸王の間は工事中で、手前にある前室部分しか見学することができませんでした。左側の工事で覆われている部分は王の寝室だった場所で、天井にはナスル朝の10人の王が描かれた肖像画が残されているそうです。
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二姉妹の間」
ライオンの中庭の北側にある「二姉妹の間」の名前の由来は、噴水の左右にそっくりな大理石の敷石があることから名付けられたとか。この部屋も床から天井までびっしりと装飾されています。
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八角形の天井には、アベンセラヘスの間と同じ鍾乳石飾りが施されています。鍾乳石飾りは何千個ものピースを組み合わせて作られているそうで、職人の凄まじいほどの執念が感じられます…。





「アルバイシン地区」
ナスル朝王宮の見学後、これからアルハンブラ宮殿の一番東側にある「ヘネラリフェ」にツアーバスで移動するわけですが、(歩くと10~15分ほどかかる)バスに乗る前の空き時間に、アルバイシン地区の白い街並みを見ることができた。グラナダ陥落までは、ここにイスラム教徒が住んでいたわけだ。↓
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サンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会と宮殿の一部も見ることができた。(左後方の塔)↓
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(4)ヘネラリフェ庭園
アルハンブラ宮殿の最後の見学地は、ナスル朝の歴代の王達が夏の休暇を過ごす離宮として、隣接する太陽の丘に建設された「ヘネラリフェ」です。別名「水の宮殿」とも呼ばれていた。

入場するとすぐに、ヘネラリフェで一番の見どころであるアセキアの中庭」が見えます。中庭の中央には約50mの細長い池があり、池の両側からはアーチ状にシエラ・ネバダ山脈から引かれた水噴水から噴き出しています。また、中庭に面しているアーチの美しい回廊が延びています。

アセキアの中庭↓
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庭園では、豊かな緑、涼やかな噴水、咲き乱れる花々、自然と建物がぴったり協和する空間です。この複数の噴水から湧き出る水の音を聞くと本当に癒されました。


アセキアの中庭の隣には、スルタナの中庭があります。スルタナとは「王妃」の意。中央には、お皿の様な形をした噴水があり雰囲気を醸し出している。
スルタナの中庭↓
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門の上には二対のライオンの像が付いています。ライオンが手に持っているのは、グラナダのシンボルであるザクロなんです。
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殻がものすごく固い柘榴(ザクロ)は、一説によると、なかなか陥落しなかったグラナダ王国を表しているのだそうです。それがパックリ口をあけているのは、「鉄壁のグラナダ王国を、カトリック勢力率いるキリスト教国がようやくこじ開けた」という意味があるのだとか。看板や石畳、街灯、車止め等、至る所にザクロ模様が描かれています。実は、スペイン語でグラナダ(granada)は「ザクロの実」の意味だったのです。 悲願であったレコンキスタを達成したことに誇りを持っていることが感じられます。

偶然にも実が赤く熟しているザクロの木を見つけた↓
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ここからも、アルバイシンの丘の素晴らしい眺めがありました。↓
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※スペイン人ギター奏者のタレガはヘネラリフェを訪れたイメージをもとに、庭園の噴水の水音を表現した名曲「アルハンブラの思い出」を作曲したと言われています。
村治佳織さんのギターとマリンバ、ハープの三重奏の「アルハンブラの思い出」をYouTubeで見ることができます。(一度は耳にしたことがあるかと思います)こちら⇓




こちらは村治佳織さんが実際にアルハンブラ宮殿を訪れて宮殿内での演奏とヘネラリフェ庭園を解説されているYouTubeです。




午前中に宮殿の観光を終え、午後からはアンダルシア地方を代表する観光地ミハスに向けバスで移動する。(約2時間15分、約175Km)

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この記事へのコメント

  • つむぎ

    こんばんは~
    アルハンブラ宮殿の様子を見せて頂いても
    想像もつかないくらい素晴らしい場所の様ですね。
    実物が見たくなります~。
    私が、頭に浮かぶのは有名なギター演奏の曲の
    印象が強いです。
    2020年02月14日 21:31
  • ボーノ

    アルハンブラ宮殿は、華やかさはないですが、壮大な歴史の重さを感じました。ギター演奏の曲とヘネラリフェの景色は良くマッチングしていますよね。
    2020年02月15日 15:25